エクスカリバー・プロジェクト
現在Autodeskでは、開発部門で「エクスカリバー・プロジェクト」を進めている。このプロジェクトは、5年間、
3段階を経て3ds Maxのコア部分の仕様から再構築するもので、今回のバージョンアップは、その第1段階の集大成になる。
このプロジェクトは大きく3本の柱で構成されており、
・XBRグラフィックス
Nitrous Graphics (ナイトラスグラフィックス)
・XBRダイエット
起動時間の高速化とメモリーフットプリントの低減
・XBR シミュレーション
mRigids リジッドボディダイナミクス
になる。
これらを更に細分化すると、
「Nitrous グラフィックエンジン」では、
・パフォーマンスの向上
・反復作業の高速化
・より大規模なデータセットへの対応
・スムーズで高レスポンスのワークフロー
・ レンダリング品質の表示確認
「Mass FX Rigid-Body ダイナミクス」では、
・NVIDIA PhtsX エンジンをベースとした高速ダイナミクスシミュレーション
・3ds Max ビューポート上で直接シミュレーションが可能
・多くのコンストレイント機能により、表現豊かなダイナミクス効果を実現
などが挙げられる。
その他新機能
その他、エクスカリバー・プロジェクト以外の新機能として、
Substance プロシージャルテクスチャ
・ライブラリが増えて80種類になった
・マテリアル作成に便利なツールを追加インストール可能
・Algorithmic社のSubstance Designer, Playerをバンドル
iRayレンダラー
・レンダリング改革のマイルストーン
・フォトリアルイメージの作成
・「設定なしに使える」レンダリング機能
QuickSilver レンダラー
・飛躍的な高画質化を実現
・NPRを使用した豊富なノンフォトリアルレンダリング
UVWアンラップの強化
・高速化および強化されたUVWマップの作成
・改良されたツールセット
・よく使用するアクションのショートカットと既定値の改善
ベクターディスプレイスメントマップのサポート
・Mudbox(またはその他の特定のパッケージ)で作成された高解像度のディテールを低解像度のジオメトリを用いてレンダリング可能
スカルプト機能とペイント機能
・新しいスカルプトブラシとペイントブラシ
・ブラシストロークをスプラインにコンストレイント可能
・ブラシの設定を保存、ロードして、よく使用する設定をより素早く切り替え可能
ワンステップオペレーション
・Autodesk Softimage, MotionBuilder, Mudboxとをファイルレス操作でのアセット相互運用を実現
など多数の新機能が盛り込まれている。
3ds Max 2012 の起動は、エクスカリバー・プロジェクトの「ダイエット」により、従来2倍のスピードで起動するようになった。また、全てのプラグインを起動時に読み込むことをしなくなった。
モデルを用いたデモンストレーション
実際にモデルを用いたデモを見てみよう。
シェーディングモード→リアルスティックに変更
負荷がかかるリアリスティックモードであっても、非常に高速な描画が可能である。
ライトの設定
トーンマッピングのトーンカーブのレベル、色温度、周辺減光の効果など全てがビューポート上に反映される。
動きの早い状態でも問題なく描画される。
メカモデルを使用した各種機能の紹介
546オブジェクトで構成されている「メカモデル」
メッシュ移動の様子
マテリアルがあたった状態
1体800万ポリゴンのモデルが3体並んだ様子。このデータは、インスタンスではなくコピーで並べられているため、実質2400万ポリゴンということになる。これだけ並んでいても描画は非常に早い。
QuickSilver レンダラー
シャドウのクオリティを調整している様子
QuickSilverの中では間接光(1次反射のみ)、反射(指定したオブジェクト間でのレイトレースリフレクションも設定可能)、被写界深度なども細かく設定できる。
レンダリングした2種類の素材を読み込んでプレビューしている様子
ノンフォトリアルイメージの作成
リアリスティックからスタイル化>テクニカルを選択する
テカリが出てしまっているので、リアリスティックモードから通常のシェーディングモードへ
シェーディングモード
色を明るく変更
Substance プロシージャルテクスチャ‐
街中央の噴水広場部分にSubstanceでテクスチャを設定する ![]()
オプションでインストール出来るToolとして、Substance Menuがあり、その中に便利な機能が盛り込まれている。
Substance Browser
Substance Material Match Maker
今、指定しているレンダラーで使える全てのマテリアルが表示され、その中から選択するとサンプルスロットにマテリアルが組み込まれる
Substance Player
Algorithmic社のH.P.からフリーでダウンロード出来るユーティリティ・ツール。Substanceファイルをロードし、それがどのようなテクスチャであるか確認できる他、法線の向きなども確認でき、ビットマップファイルとしてSubstanceファイルを書き出すことが可能である。
iRayレンダラー
iRayレンダリングでは幾つか制限がある。1つ目としては、使えるマテリアル、マップに制限があること。iRayは物理的に正確なパラメータをとったマテリアル(Arch&designマテリアル、Autodeskマテリアルなど)でないと計算できない。
また、モーションブラーのレンダリングが出来ない。そのため、車で車輪の部分にブラーをつけたい場合などは、車輪の部分だけをmental rayなどでレンダリングしてコンポジットするなどの必要がある。
取材・執筆:川鍋 昌彦(かわなべ まさひこ)
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