2011年9月8日、株式会社大塚商 本社ビル3階において、MacZoo’11が開催された。ここでは、その中で開催されたセミナーの1つ、アドビ システムズ株式会社 大倉 壽子氏による 「Adobe InDesign CS5.5によるデジタルパブリッシング」を紹介する。
InDesignから出力できるフォーマット
Indesignから出力できる主なフォーマットとしては、PDF, Flash, ePUB, Folioなどが挙げられるが、アドビ システムズは「Folio」及び「ePUB」の2つで電子書籍の制作をサポートするとのことだ。
両者の棲み分けとしては、リッチなレイアウトやWebとの連携を伴う雑誌の制作には「Folio」、テキスト中心の書籍に関しては、国際規格でもある「ePUB」を提案していくというものである。
この中でも、今回はAdobe独自フォーマットとして「Folio」を中心に紹介が行われた。
アドビ システムズが考える”デジタル・パブリッシング”ビジネス ![]()
アドビ システムズは、高度なデザイン・動画や音声などを用いたコンテンツ・ネットとの連携を中心にしたインタラクティブ性によって、消費者や広告主に今までになかった高付加価値のメディアを提供することが”デジタル・パブリッシング”ビジネスには必要であると考えており、そのソリューションとして考えられたシステムがAdobe Digital Publishing Suite (*以下、ADPS)である。
Adobe Digital Publishing Suite ![]()
ADPSは、前述の「Folio」を作成し、コンテンツの制作から配信・分析・課金に至るまでワンストップで提供するサービスである。
電子書籍が高付加価値な広告効果を生み出した実例として、米国Martha Stewart Livingが挙げられた。Martha Stewart Livingでは、紙媒体と比較して3~4倍もの広告出稿効果があったそうである。また、インタラクティブ広告では、最大70%の広告視聴効果を実現。消費者にとって目新しいメディアであうことを考慮しても、今後の展開に大きな期待が持てる数字である。
コンテンツと広告の効果分析 ![]()
こういった効果を正確に把握するためにも、ADPSには標準機能として「アプリの日次インストール推移」「記事の人気ランキング」「媒体のダウンロード件数」「広告の閲覧ランキング」などを計測する機能が提供されている。
ADPS:制作・配信を含むトータルシステム
米国のAdobe Syatemsのサイト
Indesign CS5.5で「Folio」を扱えるようにするには、米国のサイト
http://www.adobe.com/downloads
から、アップデーターをダウンロードする必要がある。このサイトの中から「Folio Producer tools for InDesign CS5.5」をダウンロードし、インストールすることで、InDesignに電子書籍を制作する機能を持たせることが可能だ。
Folio Producer tools for InDesign CS5.5 ![]()
「Folio Producer tools for InDesign CS5.5」をインストールすることで、「eFolio Builder」 の使用が可能になり、Adobe IDでサインインすることによってInDesignで制作したコンテンツをネット上にアップロードすることが可能になる。
サインインする先は「Acrobat.com」であり、Folioのデータはこのクラウド上に保存されることになる。
InDesign上で新しいFolioを作成したところ
Folioに特定の名称を入れる
「Adobeカタログ9月号」という雑誌を制作した場合、上の写真のようにFolio名の部分にその名称を入れる。 その後、データをアップロードすることで、クラウド上にInDesignで設定したFolio名が現れる。
クラウド上での見え方
ADPSの無償アカウント
ADPSの無償アカウントでは、InDesignからのFolioのアップロード、無償のViewer (Adobe Content Viewer)でのコンテンツ確認までを行うことが出来る。
ADPSの有償アカウント
一方有償サービスでは、コンテンツのアプリ化申請、App StoreやAndroid Marketでの配信まで行うことが出来る。
ADPSの有償サービスは、制作・配信・課金・効果測定を行うPlatform feeの部分と、1ダウンロードごとに発生するService feesの部分がある。
但し、単一のFolioだけを配信するシングルタイプであればService feesは必要ない。
ADPSのサービス費用について
2タイプのサービスモデル
またサービスモデルもプロフェッショナル・エディションとエンタープライズ・エディションで2タイプあり、それぞれ機能や価格に違いがあるため、導入の際は検討が必要だ。
プロフェッショナル版とエンタープライズ版の機能比較
ADPS参考価格:プロフェッショナル・エディション
ADPS参考価格:エンタープライズ・エディション
2011年機能強化予定
2011年機能強化予定
アドビ システムズでは、2011年中にも機能強化を予定しているとのことで、今後更に使い勝手の向上などが見込めそうである。
取材・執筆 川鍋 昌彦(かわなべ まさひこ)
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