Avid Studio × DigiCon6 クリエイターレポート 【インタビュー】 Bakery社CEO Erwan Maigret氏

2011年9月21日 (水)

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                                                                 Bakery社CEO Erwan Maigret氏

2011年9月9日、『インタラクティブライティング・レンダリングシステムBakery Relightの紹介』と題して、Bakery社CEO Erwan Maigret氏によるセミナーが行われた。

まず、

●プロダクションパイプラインについて

『シュレック』から『マダガスカル』などの劇場公開アニメーションがどのようにつくられてきたのか、

次に、

●プロダクションの最適化について

Bakery Relight を使って、DreamWorks社などのハリウッドの手法を紹介し、

最後に、

●Bakery Relightがどのようにパワフルな製品でどのように活用してほしいか、

の3部構成で行われた。

 

【パイプラインとは・・・】

・部門の管理

・ワークフローの管理

・演出以外の管理

・日々挑戦し成長していける柔軟な対応チーム

を構築すること。

 

【典型的な劇場公開アニメーションのパイプラインの説明】

制作を最適化し、効率良く作業するためには、各工程を同時進行させることが重要であり、同時進行することで発生するピークタイムを、実際の進行に合わせ、遅延無く処理できるかが大切である。

各担当工程間のコミュニケーションをとり、全体工程の進行を把握するのが、PED(Production Engineering Department)で、重要な役割をする。

ここでは、一般的なパイプラインについて説明をする。

<スクリプト(脚本)>

<ストーリー (絵コンテ)>

<Art Visual development(キャラクターのデザイン)>

実際にCGを作る人の参考絵になる

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↑ ここまでが2次元データ

↓ 次から3次元データになる。

 

<Layout (カメラ配置やタイミングの調整) >

レイアウトでは、絵コンテを3Dにする担当

カメラ配置やタイミングを計る役割

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<Modeling>

先ほどのレイアウトと並行作業

実際のCGを作る作業

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<Rigging>

モデリングが完璧に終わったあとに行う作業

どのように動かすかの設定と、デフォメーションを行う。

サーフェシングと並行して行える作業

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<Animation>

Lightingと同じくらいで、総労働力の30%近くがかかるとても重要な工程

例えば、80分の尺で1300ショットあり、アニメーターの人数が多く、最適化と効率化が大切である。

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<Surfacing, Shading>

モデリング後に、テクスチャリングとシェーディングが行われる。

キャラクターがいかによく見えるかという表面の部分を担当。

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<Lighting>

アニメーション作業終了後に、実際の映画で撮影するように照明をあてる作業を担当。

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<Effects>

煙・火・水や、キャラクターが溶けるなどの特殊効果を担当。

時と場合に対応して、いろいろな特殊効果を演出する。

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<Matte Painting>

背景などの2Dの絵全てのこと。

 

<Rendering and Compositing>

最終工程。

Dream Works社では、Compositingという専門の部門はなく、Effectチームと協力して、合成している。DSC03152

 

以上の工程で実際にパイプラインを指揮するのは、プロダクションエンジニアリング部門。

PED(Production Engineering Department)

 

【Bakery社とは】

大規模でない会社用に、ライティングを中心にツール開発している会社。

実地試験済みで信頼性がある。

3Dアニメーション制作に精通しており、ソフトウェア開発を中心としてパイプライン構築に関与し、制作の効率化に関する協力が可能。

「技術的な面は、Bakery社に任せて、皆さんは制作に専念して欲しい。」とのこと。

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【Bakery Relightの特徴】

プラグインやモジュール、インターフェースですらカスタマイズ可能、という強みがあり、

以下のことが可能。

・インタラクティブに最終映像にライティングできる

・高速なレンダリングエンジン

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一般的なシーン編集用に簡単なコンポジットツールを作り、無料にてダウンロード可能にしたそうだ。是非お試し頂きたい。

このソフトウェアはオープンソースであり、様々なソフトウェアの開発が可能な他、C++をはじめ使用言語も多様であり、高度なカスタマイズが可能である。

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<Bakery社のソフトウェアができること>

・ビジュアルデベロップメント

・シェーディング

・ライティング

・FX

・非常に高速なレンダリング

・最終段階での微調整が、Bakery社上で可能

・パイプライン管理

以上の機能により、ハリウッドで映画を制作する際に、必ず必要になるプリビズにおいて、現状ではアニメーションやカメラのタイミングを見ることが中心の簡単なものだが、ライティング部分も含めたプリビズができるようになる。

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<生産性について>

レンダリングには大きく分けて、以下の3つの手法があるが、Bakery社では③の手法をとっている。

①マルチレイヤー

大多数の人が利用する方法で、合成のコンポジットにて細かい色調整や、ライトの調整を行う。

②GPUレンダリング合成

レイヤー数の限界が多いのであまり利用されていない

③インタラクティブレンダリング

Bakery社のアプローチであり、従来の合成ではなく3D上のコンポジットで全てを行う。

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<典型的なアニメーション会社の負担額内訳>

ここで、制作費用の負担額軽減例について説明がされた。

まず、全体において、電気代はかなり大きな負担であることに着目して頂きたい。

映画全体のプロダクション予算を200ミリオンユーロ(約20億円)と想定。

Bakery社としては、電気代がレンダーファーム稼動費用の半分近くかかっていることを認識してほしく、また人件費を抑えるのは難しいので、削減対象はインタラクティブレンダリングや、バッジレンダリングのコスト削減を模索するべき。また、約20%(4.1ミリオンユーロ)もの予算がライティングに使われており、その内11%を削っていくことを提案している。

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更に、例えば立体視にすることで、ストレージと労働力も増え、従来より15%程度予算アップすることになるのを認識してほしい。

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<Bakery Relightにより、コスト削減が実現>

・演出部分での管理(完成形のイメージがきちんとできる)

・リソースの最適化 (キャッシングとリサイクルにより計算を節減など)

・コンポジットの削減 (データサイズが減ることで、ネット帯域の削減。立体視の迅速な実現)

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まず、レンダリング時間を削減することで、労働力の10%カット、レンダリング時間の50%削減が実現し、ソフトウェアに関しても10%削減可能と、全体として、90ミリオンユーロもの削減が可能になる。

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続いて、Bakery Relightの具体的な機能に関する説明が行われた。

 

【Bakery Relightの主な機能】

●ポイントクラウドによって可能になる高度なデータ処理

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●アンビエントオクルージョン

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●グローバルイルミネーション

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●サブサフェーススキャタリング

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●インタラクティブライティング

最終品質の画像を数秒でレンダリングできる

マルチプラットフォーム対応

カスタマイズ可能なレイアウト

独自のコンポジット機能

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● ヘアのレンダリング

 

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●Complexity

非常に複雑なシーンでも最適化によって処理できる

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<キャッシングの最適化>

・シャドウマップによるシャドウキャッシュ

・分散レンダリング

・ポイントクラウドの生成

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<パイプラインマネージメント>

キャラクター、ライティングなど全てが各ノードにあり、結合し、最終的なシーンとして、図式化されている。

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<これからの拡張性>

・パーティクルの管理機能

・2D/3Dのヘアーペインティング

・イメージビューワ

・アニメーションとコンストレインの管理

・ポイントクラウドビューワ

「現場が必要な機能はなんでも取り込んでいく」

とのこと。

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【Autodeskからのお知らせ ~Maya、Max、Softimageとの連携~】

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専用のプラグインがあるので、シーンをフォーマット変換して移動することが可能。

リファレンス機能であるリンクなど全て、Bakery Relightに移動できる。

Bakery Relightのフォーマットに変換し、ライティングを設定した後、Mayaで変更作業しても、Bakery Relight上の作業は残り、後戻りする必要はない。

Iceパーティクルなどは、情報をキャッシュで持っているので、その情報をそのまま使え、ライティング調整とシェーディング、マテリアル設定をし、最後にレンダリング、コンポジットを行うことが可能。

例えば、Mayaで背景をつくり、Maxでキャラクターをつくり、Softimageでパーティクルをつくって、それらをBakeryで3Dのシーンとして合成できるので、各ユーザーのソフトを意識せずにレンダリングが可能である。

また、レンダリング時に、Relight以外に、メンタルレイを選択することも可能とのことだ。


取材・執筆:角田 福美(つのだ ふくみ)

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