2011年9月15日『Softimage ICEでデザインツールを創ってみよう Part1』と題して、Psyop,Inc(サイヨップ)Todd Akita氏によるセミナーが行われた。
Todd Akita氏
既成のCGツールを使用するだけではなく、新たな作品を生み出すためには独自のツールを開発する必要があり、Psyop社で手がけたCM作品と、芸術家Alyson ShotzとTodd Akita氏のコラボレーションを例に挙げ、アーティストツール設計について、Todd Akita氏によるセミナーは始まった。
アーティストツール設計
芸術家Alyson Shotz(NYを拠点に活動)は、数学や物理学から発想を得て創作活動をしており、CGとの親和性が高いと氏は考え、また芸術作品からCGツール設計に取り組むのは新しい出発点だと、今回の取り組みの意義を語った。
< Alyson Shotz :
磁石の球が金属の上に固まり、
一群の球のまとまりを形成している作品>
氏は、Alysonの上に示した作品からヒントを得て、剛体の海を作った際の工程について紹介した。
① シミュレーション
レイヤ化されたシミュレーションの一種で、Momentum Bullet Physicsエンジンを使ったとのこと。このエンジンでは、数十万本もの鉄の棒をシミュレートに使用したことがあったが、今回のシミュレーションでは約900フレームを過ぎるとメモリ使用量が急増し、Softimageがクラッシュしてしまった。
そこで、シミュレーションを小さな単位に分割し「メタリック」な感じではないLagoaソルバを使い、数万フレームにわたって安定させた。さらに、パーティクル数は、数万から数十万と非常に大量になり、爆発的に増やしてから安定するまでに、およそ500フレームのシミュレーションのプリロールが必要だったが、最終的に安定したシミュレーションを実行できたと述べた。
②ワークフローをキャッシュする
全体のシミュレーション時間を短縮するために、シミュレーションをキャッシュすることと、様々な種類のシミュレーションを別々に管理することをした。さらにキャッシュをリタイムして、ワンクリックでバージョン保存をする必要があったとのこと。
こうすることで、最新のバージョンを読み込め、タイムスケーリングの管理が可能になり、ICE上でLocationやShapeといったデータタイプを保存することができるとのこと。
③キャッシュ後のデフォーメーション
シミュレーションをキャッシュすることで、キャッシュをモデリングライブラリのように使うことができ、キャッシュ間のミックスやマッチングも可能になると、利点について述べた。
しかし、流体シミュレーションが発散しすぎると、形がよくなくなり不恰好になっていくという問題点があり、氏は別のシミュレーションと混ぜることで解決をしたと述べた。
< 流体シミュレーション>
④UVブレンドデフォーマ
シミュレーションを混ぜるツールのひとつとして、水柱のUV値に基づき、別の水柱にブレンドするツールを紹介した。
このツールは2つのシミュレーション結果を取得し、その2つの間にサーフェイスを作成しておき、作成したサーフェイスの空間を埋めると同時に、シミュレーションをブレンドする方法とのこと。
この方法は、ポイント数が同じでなくても可能であるのが利点とのこと。
< 2つのシミュレーショを、ブレンド>
⑤ツイストデフォーマ
シミュレーションに加えデフォーマを使えることが、サーフェイスを使うもう1つの利点であると述べた。
キャッシュしたシミュレーションをパスに置き、配置をよりコントロールしやすくすることにしたが、これに伴い流体シミュレーションからの印象がほとんど失われた。そこで、必要な場所に渦や湾曲を追加できる簡単なツイストデフォーマを作成して解決をしたとのこと。
<ツイストデフォーマ>
こうすることで、水柱は移動するがツイストデフォーマは動かない。また、前進しているように見せたいならば、進ませたい方向と反対にNullを移動することで簡単に操作できるとのこと。
この考えは、Nullからローカル軸の1つを取得し、オブジェクトのポイント回転軸として使用するというものであり、非常にシンプルな考えだと氏は言う。
さらに、ローカル軸を取得するには、Nullのグローバル変換行列において対応する行を取得するだけだとのこと。
<4行4列のグローバル変換行列>
アイスツリーにて、Nullの逆変換を掛けて、回転し、ポイントに変換を掛けてオブジェクトスペースに戻すことで、ポイントがNullのローカル軸の周りを適切に回転することができると氏は説明した。
引き続きPart2については、近日公開予定!!
取材・執筆:角田 福美(つのだ ふくみ)
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